miraino経理部

考え方

<miraino経理部が考える効率的なバックオフィス>

miraino経理部では自動かアナログか問わず、最小限の手間の中でルーチン化された業務にまでバックオフィスを標準化し、内製かアウトソーシングかに関わらず、意思決定者が第三者に依頼出来る体制が作り上げられることを目標としています。その依頼の指示自体を最効率化出来た時には、それは自動化可能な業務となり、ソフトウェアの力で解決出来る業務へと昇華させるべきと考えています。

その中で特に自動化が騒がれる記帳業務についても、やはりある程度の知識が無い場合には自動で処理された内容の確認が出来ずに、ユーザーが困惑されているというケースを良く拝見します。
そこで、長年クラウド型会計ソフトを利用してきた弊社として、記帳業務の自動化に必要な事項を以下にご紹介いたします。

<クラウド型会計ソフトの有効活用>

クラウド型会計ソフトの利用においては、会計ソフトと連動できるツール(請求書管理システム、クレジットカード、Amazonアカウント、給与計算ソフト等)を極力多く利用する事が効率化のポイントになります。ネットバンキングの利用料やその他ソフト利用料等も発生することとなりますが、効率化に向けては必要経費と考えて頂く必要がございます。
また、それに加えて、会計数値を正しく把握する事も事業においては重要になります。そこで、以下、重要なポイントをご紹介します。

・ノイズが含まれないようにすること
・発生主義会計で処理がなされる体制にすること
・自動処理に伴う重複の発生に注意すること

<ノイズについて>

連携できるツールを使えば良いというものでは無く、効率的なバックオフィス体制には、ノイズが含まれないようにすることも重要になってきます。ここでいうノイズとは、会計に記録すべきではないプライベートの支出や他と重複する情報のことを指します。
そこで、ツールの利用に際しては、『事業専用』であることが重要になります。特にクレジットカードやAMAZONのアカウント等にノイズが混ざると、事後的に区分することが困難になり、過去のカレンダーや購入履歴等を確認する手間が発生し、逆に非効率になる可能性が高まります。

<発生主義会計>

クラウド型会計ソフトで同期される銀行明細等は、支払日の日付におけるの情報になります。一方で、実際は月末締め翌月末払いの場合には、その経費の発生は支払日ではなく、締め日が該当することが一般的です。
そこで、会計上は締め日に経費を認識し、支払日に支払った旨の情報登録(消込)作業する必要があります。さらには、特定の業務、サービスに対して支払いが年払いや条件付き払い等、入出金の情報と実際の企業の活動がさらにかけ離れる事も多く存在します。こちらに対して会計ソフトへ同期された入出金情報のみで取引を登録すると、その結果作成される決算書は誤ったものとなり、同様に納税額も誤ったものとなります。

上記を解決するためには、入出金の根拠となる情報とその情報に基づく会計処理を実施し、その上で当該取引の決済情報として、銀行明細等の入出金情報を登録することが必要となります。こちらは、従来型の記帳方法と相違ありませんが、クラウド型会計ソフトではあっても同様の手続きが必要になる部分です。

<重複防止>

同一の取引に対して、情報源が2つ以上ある場合に重複は発生します。そのため、どの情報から取引を登録するのかを明確にしておくことが重要です。重複が発生しやすいケースとしては以下のような場合が考えられます。

~領収書とクレジットカード~
クレジットカードを会計ソフトに同期している場合、クレジットカード明細から登録してくことが楽なように思えます。しかし、以下の点からクレジットカード明細からの登録にはリスクがあります。

・手元にある領収書について、支払い手段毎に事後的に区分する事が困難な場合がある

領収書の類型
個人カード支払領収書
法人カード支払領収書
法人カード連動電子マネー支払領収書


・クレジットカード明細は、消費税法で規定する的確な証憑には該当せず、支払先が発行した領収書等証憑の保管が必要
・クレジットカード明細の表示と実際の支払先が異なる場合や、明細のみでは、取引内容がわからない事が多い(EX:ショッピングモール、飲食店の運営会社名、PayPal等)

上記を踏まえると、全ての領収書をいったん未決済取引として登録し、該当するカード明細にて消込を実施し、該当する未決済取引の無いカード支払明細項目についてはカード明細から直接登録する形が現時点では最も効率的かつ正確な登録方法となります。
 
~口座引き落とし明細と銀行明細~
公共料金や電話代等口座引落の案内がメールや書面で送付されてくる取引は多く存在します。こちらについては、引き落とし明細から登録した取引と、同期される銀行明細からの自動登録が重複する可能性が高くなります。一方で引落明細が送付されてこない取引も多くあり、こちらの取引は銀行口座からの引き落とし時に自動で処理する方法が効率的になります。
そこで、銀行明細からの自動による取引登録を原則としつつ、口座引落明細は内容の確認目的でのみ利用する形が良いかと考えます。
その場合、重要な点は

・『口座引落明細から取引は登録しない』というルールを明確にする
・会計ソフトに同期している口座以外からの引き落としは発生しない体制になっている

という2点になります。

引落明細からの登録 銀行明細からの登録
引落明細:来る 登録しない 登録
引落明細:来ない 取引登録不可能 登録

~データ入手請求書等の二重アップロード~
領収書や請求書等を画像データで保管管理、さらにはアウトソーシング先への共有をしているケースは多いかと思います。非常に便利ではありますが、以下の点に注意が必要です。

・同一画像データの2回アップロード→特に経費精算の際に要注意
・同一取引内容、別資料のアップロード→請求書と請求明細、納品書と請求書等
・アップロード後のデータの差し替え

こちらは、アップロード先のフォルダ構成での管理が有効です。
書類のデータ化は意外と工数を要する上に、優先順位も低くなりがちです。社長がご自身でデータをアップロードする場合、アップロードが遅れると入力作業全体が遅れる可能性がございますので、弊社では紙で入手した請求書等については専用封筒にて資料自体をまとめて投函いただく方法をお勧めしております。

 請求書データ
要振込 振込予約済み 会計ソフト登録済み 作業の進捗に合わせてフォルダを移動
口座引落 会計ソフト登録確認済み 口座から取引登録後、登録されていることを確認したらフォルダを移動
カード支払 会計ソフト登録済み 全ての取引を未決済で登録後、フォルダを移動

<おわりに>

上記を考慮した上で、アウトソーシングを利用する場合、情報の授受方法を明確に定める事が必要となってきます。その中には、上述のようなノイズや重複情報が入らないようにする施策も含めて検討が必要です。
miraino経理部では過去の経験と利用するクラウド型会計ソフトの性質から、最も汎用的な方法を基準としてサービスをご提供及びご案内しております。会計の根拠資料自体がフォーマット化されていない紙ベースであることが多い点から、郵送等や画像のアップロード等アナログ作業をお願いする面もございますが、ご理解とご協力を頂けますと幸いです。

オプションにてご提供するサービスにつきましても、会計を基軸としつつ付随する必要業務を必要な時にご依頼できる体制を目指し、業務範囲も拡充することで、より効率的なバックオフィスのご提供を目指してまいります。